成績の等式
勉強による成績の良さは以下の式で与えられると思う。
成績=時間×頭の良さの二乗
まず時間はいいだろう。時間をかければかけるほど成績は向上する。もちろん指数関数的な成績向上もあるのだが、今回は簡単のため比例するということにする。不満があるようなら対数グラフについて考えていると思っておけばよい。それに、指数関数的な成績向上には、勉強することにより頭が良くなったという要因も含んでいるはず(もしくは年齢による自然なものか)なので、成績が時間のみに関して比例して上がるというのは大きくは間違っていない。
成績は頭の良さの二乗に比例する。なぜなら、頭の良さは単純な勉強の処理速度等だけでなく、勉強法にも影響を与えるからだ。頭の良さによって単位時間あたりの勉強内容の吸収量が違うのはまあ、明らかだと思う。そしてそれと同等に、勉強法も重要なファクターになる。ここで言う勉強法とは、参考書をどれにするとか、暗記の効率の良い方法だとか、そういう誰もが知っている低レベルな話ではない。例えば数学においては、「数学の問題を解くとはどういうことなのか」「何を身につければ点が取れるのか」といったことを理論としてまとめたうえで、最適な勉強法を選択するということである。目標点を取るために必要な能力を個々の技能として分解し、それを踏まえたうえで現在の自身のレベルや特性からして適切な勉強法を考え出し、実行に移していく(これは抽象的「勉強」自体を最適化することについても言えるし、各科目の本質をあぶり出し最適な勉強法を見つけ出すことについても言える)。これに関してはネットや本にもそうそう載っているようなことではないし、それっぽいことが載っていたとしてもそれが本当だと信じているようではダメであり、自分で考え、自分に最適化した方法を編み出さなくてはならない(他人の意見を「参考に」するのならいいが)。
以上より、上記の等式が導かれる。
体感としても大体あっているのではなかろうか。たまに中学生でも東大合格レベルの学力を持った人がいるが、勉強時間が圧倒的に少ない(3年も違う)のにそのレベルに達するのは頭の良さを2回も掛け算していると考えれば納得がいく。逆に、5浪やら10浪やらしても合格できないような人もいるが、それはその人が極端に頭が悪いというわけではなく、頭の悪さが2乗されて目立っているからだと捉えることができる。
ここで、「頭の良さ」の定義を少し明確化しよう。頭の良さが2倍になると言っても、イメージがわきづらい人も多いように思うし、何より最も重要なファクターを向上させる方法が具体的に見えてこない。
頭の良さは次の式により与えられると考える。
頭の良さ=情報処理能力×抽象度×並列度
情報処理能力は、読解、理解、思考などのスピードのことで、多くの人が考える頭の良さとだいたい同じことである。理解速度が2倍なら頭の良さも2倍と考えてよい。
抽象度は、理解や思考でどれだけ抽象的に考えられるかという度合いである。抽象的に考えられればそこで考えたことの適用範囲が広がる。具体的に言えば、数学の問題を抽象化して処理すればある程度未知の問題でも対応できるようになり、具体的なまま処理して類題しか解けないような人間のレベルとは大きな差をつけることができる。抽象度は数値として具体化することが難しいが、ここでは一旦、「抽象化によって適用可能な範囲が何倍に広がったか」を抽象度を測るために用いることにしよう。
並列度は、脳内で同時処理できる数のことである。前の記事にも述べたように、意識下での同時処理は難しく、できたとしても効率はあまり良くはない。そのため無意識下と意識下での同時処理ということになる。歩いていたらふと素晴らしいアイデアが浮かんだとか、そういう話がよくあるが、これはそのときその問題について思索していたから思いついたのではなく、無意識下での何らかの反応によって生み出されたものである。つまり、無意識下での処理はちゃんとなされている。この無意識下での処理を利用することで、意識下との同時処理が可能となる。これについては無意識下のことなのでどれほど並列処理されているのか測りにくいが、意識下と無意識下の処理数の合計を並列度と定めることができる。
これで、頭の良さをどう上げるか少しは明確になったであろう。
時間を増やして成績を上げるのは最も手っ取り早い方法だが、時間は有限なため他との差をつけにくい。他人との圧倒的差を生みたいなら、多少時間はかかっても先に頭を良くした方が効率が良いのである。頭の良さは無限ではないにせよ、場合によっては数十倍、数百倍にすることも可能である。
最後に蛇足になるが、以上の要素はすべてではない。テクニック的な部分もあるだろう。だが、掛け算で増えるような要素は上述の2つだけである。また、量×質(×才能)というような意見もあるが、おそらく時間×頭の良さの二乗と中身はほぼ同じだと思う。定量化のしやすさという観点からいくと、時間×頭の良さの二乗の方が優れているため、こちらを勧めておく。また、「成績」という言葉は少し抽象的なため、「勉強の身についている量」と置き換えて考える方が指数関数的な成績向上を考慮する必要もなく、良いであろう。
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